留学生保険とは、一般の海外旅行保険にプラスアルファしたもの。でもそのアルファって本当に必要?留学保険の中身をちゃんとチェックすべき。
「留学向け保険」や「留学生向けセット保険」などという名前で売られている保険がありますが、実は、それらも、基本的には、一般の海外旅行保険と同じです。
一般の海外旅行保険をベースに、留学生用の特約がついたものが、「留学生向け保険」として売られているだけなのです。
特に、留学生向け保険の、「ホームスティ・ホテル滞在プラン」というような名前のものは、ほんとそのまんま、一般海外旅行保険と同じです(笑)。ただ、「アパート・借家滞在向けプラン」という中にある2つの特約は、留学生だからことつけることができる特約なので、メリットがあると言えます。
留学生だからこそ加入できる特約というのは、この2つです。この2つは、一般の海外旅行保険にはつけることができない特約です。(正確に言うと、駐在員向け保険にも、同じ特約をつけることができます)
●生活用動産
●留学生賠償責任
生活用動産というのは、一般の海外旅行保険の『携行品損害』のパワーアップ版です。携行品損害というのは、持ち歩いている物だけしか対象にならないので、ホテルに置いていた物は対象になるのですが、賃貸のアパートやマンションだと、補償対象から外れてしまいます。そのアパートやマンションに置いていた物でも保険の対象にしてくれる、というのが、この生活用動産なのです。
次に、留学生賠償責任ですが、これは、一般の海外旅行保険の『賠償責任』のパワーアップ版です。一般の『賠償責任』も、賃貸アパートやマンションに対するして起こした損害は補償外なので、これを保証してくれるのが、留学生賠償責任です。
説明は以上なのですが、これだけを聞くと「おおー、どちらも必要だ」と思うかと思うのですが、ちょっと待ってください。保険とは、あれば安心なのは当然なんです。問題は保険料ですよ、保険料。保険料を考えた場合ですが、当研究所の考え方では、
●生活用動産は無くてもいいのではないか
●留学生賠償責任は、あったほうがいい
というように考えています。理由を書きます。まず、なぜ生活用動産が無くてもいいのか。
これは、生活用動産も携行品損害も同じなんですが、そもそも留学にそんなに高価なものを持って行きませんよね。あってもパソコンくらいで、パソコンなんて、最近は
20万以上のものも、ほとんど無いと思います。
で、もし、被害に遭ったとしても、保険金手続きが面倒。さらに、保険金を請求すると、翌年の保険の延長に差し障ります。それを考えると、留学生保険を含む海外旅行保険というのは、重い病気や大事故のために備えるものであって、気軽に補償を増やすものではないのです。
いろんな補償がついている「安心な保険」だとしても、保険金を請求するとその翌年から保険に入りづらくなるなら、最初から最低限のシンプルな保険にして、保険料も安いものにしたほうがいいですから。ということで、生活用動産は無くていい、という結論です。
じゃあ、次に、留学生賠償責任はなんであったほうがいいのか?という話になりますが、アパートやマンションというのは住む場所ですので、一日10時間くらいは利用しますよね。
だからトラブルが起こる確率が高い。そして、さらに、トラブルが起こると、部屋というのは損失額が非常に大きくなりがちです。だから、保険があったほうがいい、ということです。ちなみに、この留学生賠償責任は、保険料も安く、1年で約3000円程度なので、保険料の安さからもつけておいて損はない特約だと言えます。
以上のように、留学生向け保険や、留学生向けセット、というものには、必要でないものが含まれていることが多いです。本当に自分にとって必要なものなのか、よく考えて、無駄を省いていくことが、保険料の節約につながります。
海外旅行保険の項目の中で、一番利用確率の高いのは、「ケガ病気治療費用」なので、まずは医療費がいくらかかるかをチェックすることが重要です。
こちらの世界の医療費カテゴリでは、世界各国の医療費のデータを掲載し、そのデータに基いて「どれくらいの保険をかけたらいいか」を紹介しています。参考にしてみてください。
海外保険は最低限のものを安く掛けて、長く安心して海外で生活できるようにする。これが一番の方法だと私は思っています。